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ネットゲーム(一部家庭用ゲーム)全般の日記。初の人は「はじめに」をお読みください。
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あなた方の助力なくして、ここまで準備を整えることはできなかった。 | ||
【村長】 なに、礼には及びませぬ。 このハロルド、エスペランサと共に 戦う力はありませぬが─── それ以外のことでしたら、なんでもさせて頂きますぞ。 ヴォルフガング三世の暴政に苦しみ喘いでおるのは─── エスパーダのレオニカ人だけではありませんからな。 | ||
【パウロ】 機は熟し、革命の胎動が始まる……か。 ラグナスよ、ワシらもそろそろ エスパーダへ戻るとしよう。 | ||
【ラグナス】 村長、少し食料を分けてもらえるか? 戦いの前に、せめて皆の腹を満たしておいてやりたい。 | ||
【村長=ハロルド】 もちろん、お安い御用です。 火酒もお持ちになりますかな? | ||
おお、ぜひに。 ……ようやく、じゃな。 | ||
ああ。 ……父の……意志、か。 ───嵐? | ||
はて。 そんな空気ではなかったはずだがのう。 | ||
……吉兆ならいいのだがな。 |
エスペランサの戦闘訓練は 一ヶ月以上にも渡って続けられた。 団長ラグナス・ラグウェルの不在にあっても、 兵士たちは集中力を切らすことなく厳しい訓練に励み続けた。 全ては、エスパーダの人々に自由と平穏をもたらすため。 ラグナスからアリッサの監視を言い渡されていたジュリオたちだったが─── アリッサは特別怪しい動きを見せることもなく フィオナの酒場で手伝いを続け いつしかエスペランサの面々にも好意的に受け入れられるようになっていた。 帝国暦983年アスガルの月、10日。 柔らかな陽射しに包まれた貧民地区に、少年たちの明るい笑い声が響いていた……。 | ||
勝負あったみたいだな、ジュリオ? | ||
【ジュリオ】 そんなにこだわってどうするんだ。 新入りの人たちはともかく、 僕らに勝ち負けは重要じゃないだろ。 | ||
【ノア】 俺がエスペランサに入った頃は、 どんな小さな勝負事でも絶対に勝て、 って教えられたぜ? | ||
それはそうだけど……。 | ||
あれー何かしらんがジュリオ達が負け越してるとかwwwwwwwwwwwwwwwwww 13勝と9勝ってまた微妙というか半端というか。 | ||
【アリッサ】 すごいんですね、二人とも。 私とほとんど同じ年なのに、 もう教える立場だなんて。 | ||
へへっ、まぁな。 俺がエスペランサに入ったのは今から3年前。 ジュリオは生まれたときから エスペランサなんだぜ? | ||
生まれた……ときから? | ||
僕の父さんは、 エスペランサの初代団長だった人なんだ。 高潔で、勇敢で、優しくて…… 誰からも尊敬される人だったって聞かされてる。 | ||
高潔なるリカルド。 エスパーダの英雄リカルド。 俺たちにとっちゃ神様みたいな人だ。 オマエも、エスペランサの一員になるんだから、 それくらいのことは覚えておいた方がいいぜ。 | ||
この辺りはなんというか、かのラムザさんみたいな感じでいいんでしょうかね。 何というか雰囲気が凄くFFTとかぶってしまうんだが。 | ||
……一員……って? | ||
なんだ、聞いてなかったのか? | ||
アリッサがやって来てから、エスペランサの雰囲気は変わった。 なんと言ったらいいのか……上手く言えないんだけど、みんなもそれを感じてるんだ。 君がダルタニア人だからエスパーダにいられないなんて、そんなことなかった。 | ||
よくよく考えてみりゃ、 ここには素性不明の人間なんか掃いて捨てるほどいるしな。 それにジュリオがさ、どうしてもオマエと離れたくないんだってさ。 まァ、惚れちまったんじゃ仕方ねぇよな。 | ||
よく言うよ。 最近じゃ君が一番その気じゃないか。 | ||
……惚れ…… | ||
君も、真に受けないッ! | ||
なんだ、結局ジュリオだけじゃなくてノアもアリッサに惚れてんのか。 まぁでも可愛いもんなーアリッサちゃん。マジprpr。 で、結局いくつなの、お前ら。 | ||
でも…… 私、迷惑かけてばかりで 何の役にも立ててないのに。 | ||
鍋をこがしたり、皿を割ったりな? | ||
そんなのどうってことないさ。 君が一生懸命なのは伝わってるし。 僕らも、君と一緒にいたいから仲間に誘ってるんだ。 迷惑……かな? | ||
鍋こがしたり皿割ったり、それがどうってことないとかwwwwwwwwwwww そりゃ料理しないっぽい君らにとってはどうでもいい事かもしれんが、 料理してるフィオナさんにしてみれば相当きついよなwwww それにしてもこのジュリオ、アリッサのためならノリノリである。 | ||
そんなことないです! でも……私は…… | ||
あー、もう! でも、とか、あの、とか、 まどろっこしいのはナシにしようぜ。 大丈夫、なんとかなるさ。 ジュリオが死ぬ気で団長を説得するから。 っつーことで── | ||
今日から、君は僕らの”仲間”だ。 いいよね? | ||
【テレザ】 ……まずいことになったわ。 嘆きの門が───封鎖された。 帝国軍が、ここへ向かってるわ。 | ||
何やら嘆きの門、というのがあるらしく、其れが封鎖され、 そこから帝国軍が押し寄せてきたよーとの事。 まぁ恐らくはアリッサ目当てなんでしょうけどね。 |
そのう、あの娘の行方は……? | ||
【ピエール】 そう慌てるでない。 これから捜索隊をゴミ溜めへ派遣するところだ。 オマエの言うことが本当なら、 じきに見つかることだろう。 | ||
【商人】 間違いありません。 やつらは、娘を”護送”していた我々を襲撃し、 誘拐していったのです。 | ||
この商人って多分最初に居たあの護送任務のときの商人だよなー。 やっぱりあの時殺しておくべきだった。まさにそう思わせるレベル。 | ||
ふむ……まあよい。 事の真偽はすぐにわかることだ。 それより─── | ||
(オマエは、あの娘について どれだけのことを知っている?) | ||
(は……はっ。 高貴な娘である、とは聞き及んでおりますが……) | ||
(それだけか?) | ||
(他に……何かあるのですか?) | ||
……いいや、気にせんで良い。 オマエはもう下がれ。 | ||
やっぱりただの高貴な少女、というレベルだけではおさまらない感じですね。 まぁそのあたりの秘密も多分、後半に敵がつらつら喋ってくれるんじゃないですかね。 まぁそうじゃなければアリッサ本人が全部皆に打ち明ける、みたいな。 | ||
……ピエール様。 娘が見つかった暁には……。 | ||
わかっておる。 せいぜい帳簿でも見つめておれ。 | ||
ははっ。 | ||
(”護送”ねェ……あのお方に雇われた者が、 このような失態を犯すとも思えぬが…………処分しておく方が得策、か) | ||
おい、そこのオマエ! | ||
え、なに、これ商人死亡フラグ? |
よりによって、兄さんがいない時にこんなことになるなんて。 | ||
団長のところへ使いは? | ||
無理よ。 嘆きの門には軽く千を超える帝国兵。 街道を使わずエスパーダを脱出するにしても、 この天候では難しいし……。 エスパーダ貧民地区は、完全に封鎖されてしまったわ。 | ||
【クロード】 団長の帰りを待つのは望み薄、か。 我々だけで切り抜けるしかないようだな。 | ||
…………… | ||
【フィオナ】 アリッサ、どうしたの? 何か、気になることでもあるの? | ||
あっ、いえ、大丈夫……です。 | ||
安心しろよ。 いざとなったら俺たちが守ってやる。 なぁ、ジュリオ? | ||
ああ、もちろん。 | ||
それにしてもあいつら、 急にこんなとこまで来やがって。 いったい何が狙いなんだか……。 | ||
ノアさん、何が狙いってどうみてもアリッサ回収しにきてるんじゃないですか? 分かりそうなもんだけどそうであってほしくない、という事なんですかね。 |
【帝国兵】 ピエール様、連れて参りました。 | ||
うむ、ご苦労。 さて── | ||
聞こえるかね、エスパーダの貧民諸君。 ワタクシはヴォルフガング三世より ヴィクトリオン要塞を預かる、東部総督ピエールである。 ワタクシは、ある女を探している。 近頃、エスパーダの不届き者に拉致された貴族の娘だ。 | ||
けしからん、実にけしからん。 ワタクシに逆らうことは皇帝陛下に剣を向けると同じこと。 よってこれより、この貧民地区を血に染めてやろうかと思うのだが─── ワタクシとて、無慈悲ではない。よいか、一時間に一匹だ。 その娘が差し出されるまで一時間が経つごとに、 レッグを一匹殺すことにした。 ワタクシとしては最後の一匹まで殺し続けても一向に構わん。 せいぜい話し合い、小娘をワタクシのところまで連れてくるがいい。 | ||
けしからん、実にけしからんwwwwwwwwwwwwwwwwwwww まぁ長いんですけどアリッサ差し出さなかったら1時間ごとに1人住民殺すよー^^ って事です。もう顔から悪役がにじみ出てるからなこいつwwwwwwwwwwww 流石の風格である。 | ||
その者は一時間後に殺せ。 できるだけ、残酷な方法でな。 愚民に恐怖心を植えつけてやるのだ。 | ||
ハッ! | ||
【スラムの女性】 ひっ…… | ||
さてさて、愚民どもがどう出るか、 楽しみだのう……。 |
一時間に”一匹”か。 | ||
……気に入らないわね。 | ||
ちょっと、抑えてよ、みんな。 ダメだからね、飛び出したりしちゃ。 今はラグナス兄さんもいないんだし……。 | ||
だけど、このままでいいのかよ! | ||
……困ったな。 あいつらの探してる貴族の娘って……。 | ||
私のこと、間違いありません。 | ||
おい、待てよ。 あいつら、オマエの仲間ってわけじゃないんだろ? | ||
……おそらくは。 でも、行かなければなりません。 私のために、誰かの血を 流すわけにはいきませんから。 | ||
その誰かの代わりに、 君の血が流れることになったとしても? | ||
まだそうと決まったわけではないから。 だから……。 | ||
あ、選択肢もどっちを選んだかでちょっと会話も変わりますんで、 こんな風に入れてみる事にしました。 因みに一番最初に出る選択肢は、上の選択肢を選んでいます。剣をふりかざさない方ねw | ||
……やめよう。 君は、僕らの仲間なんだ。 エスペランサの名にかけて君を行かせはしない。 | ||
そうだ、その通りだぜ! | ||
でも、それじゃ───。 | ||
それに、君を引き渡したところで やつらが出て行くとは限らない。 みんな、準備───いや、覚悟はいいかな? | ||
トーゼンだ。いつでも行けるぜ。 | ||
黙っているわけにもいかんだろう。 | ||
……任せて。 | ||
ちょっとジュリオ! あんた、もしかして……!? | ||
ごめん、姉さん。 でも、やるしかないんだ。 |
どうした。 娘の居所を話す気に─── ! | ||
へへっ、やっぱりこうじゃないとな。 黙ってるのは性に合わねぇ。 | ||
さあ、行くぞ! |
【ジュリオ】 おはよう、目が覚めた? | ||
【ノア】 もうおはようって時間じゃねーけどな。 | ||
【貴族の少女】 ……あの…… ここは、いったい……? ……あなたたちは……? | ||
エスパーダ貧民地区。 人買いの荷車で君を見つけて、 ここまで連れてきたんだ。 | ||
オマエら西部の貴族サマには、 そんなに居心地のいい場所じゃねぇだろうけどな。 | ||
僕はジュリオ。 こっちの口が悪いのはノア。 君の名前は? | ||
……名前……えっと…………ア…………いえ…… | ||
おいおい、なんだよ。 まさか名前を忘れちまったなんて 言うんじゃねーだろうな? | ||
…………… ……私は…… | ||
ガルガンディア帝国── 古の時代よりドラクロワ皇家によって支配されてきた帝政国家。 そこには”呪われし民”レオニカ人をはじめとする虐げられし者たちが 肩を寄せ合い暮らしていた。 レジスタンス「エスペランサ」の作戦で貴族の少女を”強奪”したジュリオたち。 「貴族の少女」─── それはすなわち、彼女が支配民族ダルタニア人の血を引くことを意味する。 招かれざる客の来訪を受け、エスペランサに張り詰めた空気が立ち込める。 果たして、少女はいったい何者なのだろうか…… |
……他には? | ||
【貴族の少女=アリッサ】 …………… | ||
【ラグナス】 家名は? さらわれた理由は? 両親や護衛はどうした。 | ||
……言えません。 ……ごめんなさい、助けていただいたのに。 | ||
謝る必要はない。 ただ、一つはっきりとさせておかなければならない。 お前はいったい何者だ? | ||
…………… | ||
【パウロ】 まぁまぁ、そう矢継ぎ早に訊いても アリッサが困惑するだけじゃよ。 | ||
……こちらとしても、理由もなく ダルタニカの貴族を抱え続けるわけにはいかない。 アリッサ、お前もダルタニアンならばわかるだろう。 貧民区エスパーダに身を置くことが どういう意味を持つのかが。 | ||
…………… | ||
アズリ=アズールから奴隷商を呼んでいるが─── 到着までにはまだ時間がある。 それまでに、話す気になれば話せ。 | ||
奴隷商…… | ||
まァ、そうなるよな。 なぁアリッサ。 オマエがなんでだんまりなのかは知らねぇけどさ。 洗いざらいしゃべったほうがいいんじゃねぇのか? もしかしたら、団長の気も変わるかもしれねぇし── | ||
僕らにできることなら、 なんだって力を貸すよ。 | ||
……ありがとう……ございます。 でも…… | ||
……言えない? | ||
何をそんなに意地になっているんだか。 そんなに奴隷船にのりたいのかよ? | ||
なに、そう急かすこともなかろう。 今しばらくは猶予があるんじゃ。 何にせよ、このむさ苦しい貧民区に こんなにも可愛らしい華が咲いたのは大変喜ばしいことじゃ。 願わくは、この華が末永くここを彩り続けてくれることを のう、お嬢さん? | ||
あ……えと……? | ||
【クロード】 あんたが困らせてどうするんだ。 | ||
困らせる? 儂が? そんなつもりは少しもないがのう。 | ||
僕、兄さんを説得してみるよ。 奴隷商を使うのは納得できない。 あいつらは僕ら【レオニカ人】を商品にして稼いでるんだ。 | ||
やめておけ。 団長は感情論では動かンし─── あの人の言う通り、今は”微妙な時期”だ。 ……まァ、 アリッサが帝国の間謀ということはないだろうが…… 多少の時間を持たせただけでも十分な譲歩だろう。 | ||
でも、だからって…… | ||
あんまり団長を怒らせんなよ。 ただでさえピリピリしてんだから。 | ||
……あの……? | ||
ジュリオがやるというなら儂は止めんよ。 むしろ、心から応援しよう。 | ||
ったく、いい加減な参謀だな。 | ||
ありがとう、パウロ。 | ||
あの……私、まだ事情がよくわかっていないのですが…… でも、まずは皆さん、助けてくれてありがとうございました。 それで……あの みなさんは、いったい……? | ||
【エスペランサ】 名前くらいは知ってるだろ? | ||
エスペランサ……? | ||
箱入りのお嬢様では知らんかもしれんな。 | ||
儂らは、ガルガンディア帝国の圧政から エスパーダを解放するための─── | ||
正義の味方ってところだな。 悪の帝国と戦うためのさ。 | ||
正義の……味方…… 悪の……帝国…… それじゃ、私は…… | ||
大丈夫、だからって今すぐに 君に危害を加えたりはしない。 | ||
まァ、捕虜だからな。 今のところは、ということだが。 | ||
このエスパーダの極貧街では、 捕虜もへったくれもないわい。 誰しもが帝国の奴隷みたいなもんじゃ。 | ||
……ということだから、 安心してくれていい。 それに君が何も話してくれなくても、 きっと僕がなんとかしてみせる。 何か、理由があるんだろ? | ||
あっ……はい…… |
数日後─── | ||
自分たちは”外”へ出かけといて、俺たちには新人の訓練なんてさ。 | ||
団長たちが戻ってくるまでまだ一ヶ月以上あるんだ。 それまで何もしない、というわけにもいかんだろう。 | ||
だけどよ~。 | ||
そう言うなって。 良かったじゃないか、天気もいいし。 | ||
【テレザ】 雨天の演習は最低最悪だものね…… | ||
あァ、まったくだ。 俺たちも体をなまらせるわけにはいかないからな。 ちょうどいいさ。 | ||
さてと、今からみんなには、 僕らと共に模擬戦に参加してもらう。 模擬戦と言っても、 実戦と全く同じ環境で行うので、 くれぐれも気を抜かないでくれ。 | ||
なあ、チーム分けはどうするんだ? | ||
僕とテレザが西軍を率いる。 ノアとクロードは、東軍を頼むよ。 他のみんなは、均等になるように両軍に分かれてくれ。 | ||
なるほど、帝国役のお前たちと、 エスペランサ役の俺たち、ということだな? | ||
悪のガルガンディア帝国と 正義のエスペランサ。 | ||
そういうこと。 わかりやすくていいだろ? | ||
へへっ、そう聞くと なんだか燃えてきたな。 そんじゃとっとと始めようぜ! |
【フィオナ】 助かるわ~、手伝ってくれて。 やっぱり二人いるとはかどるわね。 | ||
すごいです、フィオナさん。 いつも一人で準備してたなんて。 | ||
あの子たちったら、人は斬れるくせに 野菜一つまともに切れないんだもの。 お皿洗いくらいならジュリオに手伝ってもらったりしてるけど。 だから私としては、アリッサがずっと ここにいてくれると嬉しいんだけどな。 | ||
そんな、私なんて…… | ||
終わったみたいね。 みんなを呼んできてくれる? 疲れてぐったりしてるだろうから 笑顔で迎えてあげてきて。 | ||
は、はいっ! |
兄さんが帰ってくるまではまだまだ続けるから、そのつもりで。 | ||
くっそ~、負けた負けた! ったく、惜しいところだったのにな。 | ||
君はムキになりすぎだよ。 | ||
少しは……冷静になった方がいい。 | ||
言ってろよ。 オレはオレのやり方で勝つ! | ||
……明日は……負けんぞッ! | ||
クロード、君まで…… | ||
皆さんお疲れさまでした。 フィオナさんが、ご飯の支度が できたから入ってこいって─── | ||
メ・シ・だ!! | ||
なんだ、みんな元気じゃないか。 大丈夫? | ||
あっ、はい。 皆さん、すごい勢いでしたね。 | ||
たいしたモノが出るわけじゃないが、 エスペランサに入隊すれば メシだけは食える─── 入ってくる連中は、 大半がそんなやつらだからな。 | ||
それに……フィオナのご飯は エスパーダでも一番だから。 | ||
僕らも中へ入ろう。 早くしないと、僕らの取り分がなくなっちゃうよ。 |
【気弱そうな商人】 た……頼む。 金や奴隷でよければいくらでもやる。 なんなら帝国の市民権を手配してやってもいい。 だから……。 | ||
【ノア】 俺たちは麦一粒の価値もない…… だったっけな? | ||
わ、私が言ったわけじゃない! | ||
【クロード】 やれやれ……。 | ||
【テレザ】 どうするの? ジュリオ。 | ||
【ジェリオ】 ……行きなよ。 君の命に興味なんてない。 | ||
……………!! | ||
相変わらず甘いねェ。 | ||
殺っちまった方が 面倒がなくてよかったのによ。 | ||
……リーダーの判断なら従うわ。 | ||
さって、それじゃお楽しみの時間と行こうぜっと。 | ||
こんなん、どうやって食えってんだ! | ||
あいつら、人買いだったのか。 ……うん、まだ息がある。 | ||
のん気にぐっすり寝てやがってよ。 あんだけの騒ぎだったのに。 | ||
……睡魔の魔法……かしら。 | ||
……割に合わん戦果だな。 おいジュリオ、どうする? | ||
放っておくわけにもいかないだろ。 エスパーダへ連れて行こう。 |
汚いベッドで悪いけど、ちょっとだけ我慢してよね。 それで? この子はいったいどこの子なのかな? | ||
そんなところだろう。 | ||
【エプロン姿の女性】 さらっと怖いこと言わないでよね、兄さん。 それなら良かったじゃない、 ウチに助けられたんだから。 貴族みたいな暮らしは無理でも 売られるよりはいいでしょ? | ||
【勇壮な風貌の男】 そうだろうな。もっとも─── 奴隷よりは多少マシ、といったところだろうが。 |
すまんが、薬酒を暖めてくれんかな? その子はずいぶん長い間眠らされておったようじゃ。 じきに目が覚めるじゃろうが、すぐには食事を口にさせられんのでな。 | ||
薬酒……まだ残ってたかな? ちょっと調べてみるね。 | ||
……どうするんだ? あの子。 | ||
【勇壮な風貌の男=ラグナス】 ──金貨五万、といったところか。 | ||
【温厚そうな老人=パウロ】 もう少し上乗せできそうだの。 高貴な家柄をこしらえてやれば、 七万五千はいけるじゃろう。 | ||
奴隷商を……使うつもり? | ||
……ここはエスパーダ、レオニカの民の街だ。 ダルタニカの貴族がいるべき場所ではない。 | ||
……ま、そうだよな。 | ||
同じく、否定はしないさ。 | ||
……だけど…… | ||
まぁ、儂もジュリオの気持ちはわからんでもない。 儂らは”高潔なるエスペランサ”じゃからな。 英雄リカルドより継ぎしこの組織を 汚したくないということじゃろう? | ||
……ああ。 | ||
そんなの今さらだろ? 俺らはどうやってこの子を手に入れたんだっけな? | ||
僕らが襲っているのは帝国のやつらだけだ。 | ||
ならいいじゃねーか。 そいつ、帝国の子なんだろ? | ||
どんな事情かはわからない。 でも、この子は帝国を追われている身のはずだ。 できることなら助けてあげたい。 | ||
でもよォ。売っぱらって金貨にすれば いいモン沢山食えそうだぜ? | ||
そうじゃのう。 | ||
パウロまで……。 | ||
もっとも、儂の個人的な意見を言わせてもらえるなら─── このように華のある娘を、 無下に売り飛ばしてしまうのは気が引けるのう | ||
おいおい、そこかよ? | ||
……否定はしないが。 | ||
いや、しろって! | ||
……………ともかく、だ。 その子が目を覚ますのを待ち、いったい何者なのかを見極める。 話はそれからにしよう。 監視はジュリオ、お前に任せる。 ノアたちと交代で見張り、一挙手一投足から目を離すな。 | ||
……了解。 | ||
決起の日はすぐそこまで迫っているんだ。 | ||
……高潔なるエスペランサ、か。 |
Author:神無月ヒカル
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